怪異成敗！都市伝説ハンター！

同人誌の感想

1. 石川哲

   2021年7月26日

   待っていた新作

   待っていた新作、めっちゃ楽しめた。前作とのつながりや、ほかの作品のキャラも出てきて、町の会話からキャラ同士の関係性が見えるのがよかった。ストーリーも面白く、全体を通しても矛盾なく納得できる作品だった。

   ただ、前述のとおり、他の作品もプレイしていないと会話やエンディングの中で知らないキャラが出てきて混乱するかもしれない。

2. にしやん

   2021年7月14日

   秀作ではあるが・・・

   主人公は、都市伝説の怪異を追い、解決していくゴーストハンターだ。性格はちゃらんぽらんながら、筋の通った漢である。怪異相手に臆することなく、冷静に対処していく。さらに、除霊の方法も男らしいといえる。すなわち、自らの肉体を通じて、女性型の悪霊を浄化させるのだ（要はエッチをする）。感心したのは、これだけ特殊で無茶な設定を、矛盾なくストーリーに落とし込んでいる点だ。比較的平易な文体と、登場人物の個性が確立されている点が、読者に違和感を生じさせにくいのではないかと思う。

   全体のボリュームはやや少なめで、物足りなく感じる人もいるかもしれない。その分テキスト量は特にエッチシーンが多く、長文を読むことに慣れていない人にはちょっと厳しいかもしれない。

   残念な点もいくつかある。特に気になった点を挙げておく。

   1) 世界観の説明が大ざっぱで、同グループの別作品のセルフパロディっぽい話が頻出するところがある。当作品だけのプレイでは意味が分からない内容があり、登場人物がしばしばストーリーに現れては「？？？」となる。
   2) 作中のエッチなムービーは比較的単調で、人によっては気になるかもしれない。私としてはそこまで不満はないが、ほとんどのシーンで「大事なところ」にテキストボックスの枠がかぶっていて、見えにくい点は問題だと感じた。
   3) いくつか決定的な誤植があり、雰囲気を壊すトラップがある。例として、「ロリ〇ンの気がある」「ロ〇コンの毛がある」、「パチンコに行ってる」「パチンコに言ってる」など。
   4) 海に引きずり込まれたナンパ者の件が解決していない。「エンディングのあれだろう」と思われるが、説明は一切ない。

   とはいえ、それらを差し引いても秀作であることには変わりない。個人的には、某TRPGをプレイしているような感覚でとても楽しめた。本来は星5をつけたいところだが、中盤に丁寧さが欠けて見える点（誤植もその位置に集中している）ため、星4とした。余裕があれば、同グループの他作品も見てみたい。