2017年2月3日発売、サークル「蛸壷屋」制作の「ゆきゆきて戦車道 総集編」の無料ダウンロード情報です。
同人誌の内容




同人誌の説明
サークル蛸壺屋が贈る、話題を呼んだ実弾使用のガ○パン硬式戦車道を一冊にまとめたディレクターズカット完全版。新規追加シーンは本文20ページ相当、全体へ多数の加筆・修正を施し、200ページを超える大ボリュームになっています。
あらすじ
戦車道の名門黒峰から、名もない大洗へ転校してきた一人の少女。彼女は黒峰のオットー・カリウスと呼ばれた、西○流エースコマンダー姉妹の一人だった。
生徒会長の角は、すでに戦車道を引退した彼女を、廃校回避の実績作りに軟式の戦車道大会へ参加させた。しかし大会当日、参加チームに与えられたのは実弾だった。
相手を撃破しないとこちらが死ぬ――ごく当たり前の戦車戦が、ここでもごく当たり前に始まる。



同人誌の感想
エロさ控えめでも名作。一般の人にもおすすめ
買ってから何度も読み返してる。なんというか、最後のシーンがとてもよかった。エロさよりも物語の完成度が際立つ一冊だと思う。ぜひ手に取って読んでみてください。
すごい本
夢いっぱいなアニメを元につくったわりに、漫画の中のキャラたちはとんでもなくリアルな世界で必死に戦う姿が衝撃的でした。もともと原作のアニメの弾が安全すぎてちょっと否定的だったけど、この漫画で使われている弾はガチの実弾。甘々なキャラたちが戦車の機銃で紙装甲をぶち抜かれて虐殺されたり、安易な気持ちでロケランで攻撃したら不意の反撃をくらって壁に押しつぶされたり。こんな悲惨な目にあううちに、だんだんかわいそうになって、気づけば応援して見てました。個人的には、おたくっぽい装填手の子が痛み止めを打ってもらいながら、おんぶされて楽しそうにしゃべっているシーンがしぬほどかわいそうでした。見てて辛い漫画だけど、なぜだか忘れられない作品になりました。
素晴らしい、の一言に尽きる名作
概要だけ見ると、いわゆるインパクト重視のグロ系や過激なネタを想像させるかもしれない。でも実際には、グロテスクな場面はあるものの、史実への理解と洞察、そして主人公みほの命を守ろうとする思いが芯を通して描かれていて、良い意味で期待を裏切られる出来だ。薄っぺらな軍オタ的ナチス賛美もなく、共産趣味もない。主人公の優しい性格と、戦車道の家元として生まれてしまったことによる葛藤が、物語の芯になっている。登場人物の行動の理由がすぐには分からなくても、終盤の展開で納得できるように組み立てられていて、そこが本当に見事。
最終章には映画「ゆきゆきて神軍」へのオマージュがあって、タイトル回収の意味もあるんだけど、いくつかコマが足りない箇所があり、ゆきゆきて神軍を観ていないとちょっと?マークが浮かぶ場面もある。でもそれを含めても、ラストは感動のフィナーレにつながる。みほの死をめぐる戦友たちへの愚直なまでの贖罪意識は、原作の奥崎のエピソードを思わせ、本当の戦争体験者のようなリアリティがある。
そして軍オタ要素をゼロにはしていないが、軍オタの女の子が自分の好きな気持ちを貫く姿も素晴らしかった。映画に詳しくない人にも、作品のネタ元になっている作品を見てみると新たな発見があるはず。
総じて、本作は作者の良心と洞察、納得感のある構成で生まれた、奇跡のような同人誌だと言える。
原作と作者性の間で光る力作
押井守監督は劇場版パトレイバー2で、原作のゆうきまさみの世界観を土台に自分の描きたいものを凝縮して描いている。パト2にはむせ返るほどのリアリティと作家性が詰まっている一方、原作は徹底的にないがしろにされているとも感じる。つまり「とてつもない快作であるが、それをパトレイバーでやる意味があったのか」という問いが浮かぶ。本作は人気アニメの二次創作にあたる部分もあり、歴史と軍事の知識に基づく描写や映画への豊富なオマージュが詰まっている。原作と比べると確かに大きく乖離している部分もある。ただし、オマージュやミリタリーの考察はリアリティの話で、作者が描きたかったものは別にあるはず。戦争の悲惨さ、集団への不信、人間への疑念そんなテーマが筆致と構図を強く引き立て、画面には作家性がはっきり宿っている。漫画としても非常に正直で、力作として楽しめた。私も作者を見習って、正直な要望を書いておきたい。もっとオリジナル作を読ませてほしい。あなたの作る人物と物語を読みたい。ゼロから作れば、無理な設定や過剰な心理描写を避けられるんじゃないか。舞台背景には無理を感じてもいいが、ノンナの行動には納得できる理由が欲しい。)